十二月廿六日(火)丁亥(舊十一月九日・上弦 晴

 

今日はぼくのご公務です。今年最後の通院で、慈惠大學病院へ行つてまゐりました。檢査も女醫先生の診察も早くて、もちろん結果も良好で、ぼくの自己診斷とはちよいと違ふのですが、それをあへて取りざたすることもないので、豫約時間より30分以上も早く、氣持ちよく病院を出ることができました。

 

それで、今年最後の(?)、神保町探索へと向かひました。まづは、成光さんのラーメンで腹ごしらをし、古書店街をざつと總ナメ。店頭を撫でて歩いただけですが、そのわりにはといふか、だからなのか、掘り出し物は少なく、先日見つからなかつた、『源氏物語』 を題材にした謠曲の豆本、『半蔀』と『夕顔』と『住吉詣』を手に入れることができました。 

さう、八木書店さんには、プリントした 『藤原道長紀行』 をお持ちして、この一年のご好意を感謝いたしました。

 

それと、神保町駅から田園都市線で長津田驛乘り換へ、町田驛まで行き、今年最後のご用をすませてきました。高原書店を一階から三階まで探索。そして仕上げは柿島屋で馬刺で一人晩餐! 近ければもつと通いたいのですが、もう心殘りはありません。小田急の快速急行で寢て歸つてきました。 

 

今日の讀書・・病院と電車の中で讀もうと持つて歩いた 『源氏小鏡』(高井家本) でしたが、重いのと眠いのとで、結局讀めないまま持ち歸りました。 

 

今日も御詠歌はお休みします。 

 

今日の寫眞・・神保町のはづれにある、成光さんの店内と、古書店街の日陰で寒い路地。

そして、本邦初公開、高原書店の全貌と店内。高原書店は、はじめ大久保にあり、次に町田驛の小田急の踏切の近くのビルに入り、そして現在の自社ビル(?)に移つたのでした。みんな通ひました! 

それと、これも初公開の柿島屋の店内。さう言へば、柿島屋も、二十年も前には、小田急町田驛のそばにありました。現在の久美堂書店のところでしたね。店内はもうものとした煙で、勞働者の食堂と言つた感じでした! 

最後は、入手した本。『源氏物語の倫理』 は八木書店さんの廉價本コーナーで見つけた、今日唯一の掘出し物。いや、高原書店で見つけた 『東京きりしたん巡礼』 も、一〇〇圓の二割引きでしたから。これも掘出し物としておきませう。