三月廿五日(日)丙辰(舊二月九日・上弦)

 

晴、ますます暖かくなつてきました。 

下痢はまつたくおさまり、便もふだん通りになりました。食欲ももどつてきましたが、ただ食べる量は前のやうにはいきません。まあ、食べ過ぎるよりはよほどいいのですが。 

日中は、まだほとんどベッドで寢て過ごしました。それで、やつと、北方謙三著 『武王の門』 を讀み終はらすことができました。ハードボイルド調で、はぎれもよく、安心して讀むことができました。あと味がいいのもいい。

 

なかで、新しい九州探題の今川了俊が、京都から九州までやつて來るのですが、その旅日記といふか陣中日記の 『道ゆきふり』 を書いてゐるんですね。それが、『群書類從』 の中にあつて、出だしを讀んででみました。例の版木で印刷された和本(群書類從特別重要典籍集)も開きましたが、字がかすれてゐて、いきなりつづけて讀むのはやはり難しさうです。 

また、書庫から南北朝時代と 『太平記』 關係の資料を出してきたら、たくさんありすぎて迷ふほどで、その中の、加賀淳子著  『南北朝 恩讐の争乱』 を選んで讀みはじめたら、『太平記』 もふまへた内容で、とても讀みやすい。