五月十六日(水)戊申(舊四月二日) 晴、暑い

 

今日も、『枕草子のたくらみ』(「第四章 貴公子伊周」) で取り上げてゐる原文(能因本二五六段)を讀み進みました。實に長い章段で、中關白家の法要の樣子を描いてゐます。 

いささかうんざりですが、『源氏物語』 のフィクションとは異なつて、當時の實況であり、生の聲が響いてくるやうな近しさを感じます。それだけで良しとしなければなりません。 

 

妻が、この二、三日、忙しさうに出かけてゐます。ノラネコ捕獲を要請されて、協力者のみなさんと出かけては、捕獲したネコを連れ歸つたりしてゐます。 

依頼されたのが親ネコ一匹に、子ネコが五匹。それが一度には捕まらず、そのつど我が家の書庫のオリに入れにもどるつてくるのです。 

それで、やつと最後の一匹が捕まつて、運んできたところに出くはしたものですから、手に取つて見せてもらつたら、なんとも可愛いメスの三毛猫でした。しばらく膝の上で、きつと人間は初體驗なのでせう、こはごはしてゐましたが、やさしくなでまわしてゐたら動きもなめらかに、元氣なそぶりをみせてくれました。 

妻と話して、モモタとココに、この子を育てさせてみようかとまでになり、名前もミーちやんにしようと決めました。

 

ところが、夕方、病院へつれて行き、みなが病氣をもつてゐないこともわかつたのに、協力者の方が、すばやく寫眞を撮つて、譲渡のための情報をネットで流したらしいのですね。すると、ただちに連絡が来て、よりによつて、我がミーちやんを欲しいと、それで譲ることも決めてしまつたといふのです。 

一應、書庫へもどつてきたので、他の子と見比べてみても、ミーちやんがだんとつの美人でした。せめて、もらはれていく日まで可愛いがつてあげたい。 

 

今日の寫眞・・ノラのミーちやんと、我が家のモモタとココ。