五月廿三日(水)乙卯(舊四月九日) 曇りのち雨

 

デズモンド・バグリイ著 『敵』(ハヤカワ文庫) 讀了。バグリイ自身が最高傑作と言つてゐるやうですが、ぼくはどちらかと言ふと、『高い砦』 のはうが、血沸き肉躍る内容であると思ひます。舞臺はイギリスですから、“007”を髣髴させます。でも面白いのは、細部にリアリティーが感じられるからでせうね。特に、精巧な鐡道模型が出てくるところなんか、マニアにはこたへられません。 

 

*デズモンド・バグリイ著 『敵』 ・・英国の某情報部に勤務するジャガードは聡明な生物学者ペネローペ・アシュトンと婚約した。だがその幸福もつかの間、彼女の妹が何者かに硫酸を投げつけられるという事件が発生する。ジャガードは犯人の捜査を開始するが、やがて奇怪な事実を探り当てた。ペネローペの父ジョージ・アシュトンの経歴が情報部で最高機密になっているのだ! 黒い噂ひとつない富裕な実業家の彼がなぜ? 謎が深まる中、突然アシュトンが失踪した。情報部の命を受けたジャガードは彼を追って厳寒のスウェーデンへ飛ぶが……バグリイ自身が最高傑作とする大型冒険小説。 

 

今日の寫眞・・朝刊切り抜き。「本音のコラム」と「日大悪質タックル選手」の會見しめくくりの言葉。