六月十二日(火)乙亥(舊四月廿九日) 曇天、夕方通り雨

 

今日は晴れると聞いてゐたのに、どんよりとした天氣の一日でした。それでも晴れることを期待して、土浦と柏に行つてまゐりました。古本市が開催中だつたからです。またかうでもしないと出歩く機會が少なくなつてきたからでもあります。 

天氣がよければ筑波山がながめられたでせうに、その姿はもやのかなた。そのかはり、松戸驛で乘り換へた常磐線の快速にはトイレがついてゐるので安心して讀書ができました。

 

土浦驛西口の廣い空き地だつたところに、きれいな市立圖書館+駐車場ができてゐて、古本市會場に行くにはたいへん便利になりました。 

いつも感じるのですが、とても廣い會場です。ゆつくり見て歩いたら、それこそ一日を費やしてしまふことでせう。でも、常設のところはどこのお店が出してゐるか、どんな傾向のものがあるのかがわかつてゐるので、掘り出し物さがしに集中できるといふものです。しかし、今日は寫眞にある二册の和本だけでした。 

晝食は、土浦といへば小松屋のうな重です。ご飯を少なめにしてもらひ、美味しくいただくことができました。

 

再び電車に乘り、柏驛近くのビルで開催中の古本市を訪ねました。が、ここでは見て回つただけで、欲しいと思ふものはありませんでした。それでいつもの喫茶店に入り、持參した 『繪入 竹齋狂哥物語 上』 を讀み終らせてしまひました。 

 

 今日の寫眞・・古本市會場のカラフルなビルと、きれいになつた道路と向かひの駐車場。それと、掘り出したくづし字本二册。菅江眞澄著 『伊那の中路 眞澄遊覽記』 は、ひときは變はつたくづし字なのですが、讀めなくはないので求めました。

 

註・・菅江眞澄(すがえますみ) (17541829) 江戸後期の国学者・旅行家。本名、白井秀雄。三河の人。信濃・越後・奥羽・松前を巡歴して著した紀行文は、「真澄遊覧記」と総称され、民俗学・考古学などの好資料。