九月七日(金)壬寅(舊七月廿八日) 晴、うす曇り

 

今日は三か所で開催されてゐる古本市をはしごしてまゐりました。昨日の今日ですから多少の不安はあつたのですが、行きたいと思つた氣持ちが勝つて、出かけることができました。ぼくが生きてゐる證しでもありますし。

 

はじめはなじみの神田の古書會館。つづいて、初めての開催といふ國分寺驛北口のビル三階で開催中の 「第1回 国分寺大古書市」。近隣のみならず、大阪府、廣島縣、高知縣、それに新潟縣の古書店の出展が嬉しかつたです。ただみなきれいなといふか淸潔な本ばかりで、ごみ溜めを漁るやうな神田や高圓寺の古書市とは一味違つてをりました。しかも地方色がなく、それも殘念でしたが、ハヤカワ・ミステリがまとまつてあつたので、「暴力を憎む心優しき知性派探偵アルバート・サムスン・シリーズ」を、『A型の女』 から 『豹の呼ぶ声』 までの七册をまとめて買つてしまひました。

 

三か所目は、これもなじみの高圓寺の古書會館。この 「ごみ溜め漁り」 のやうな市であればこそ、(心の内で、このやうな内容の本があつてもいいはづだと)探してゐた書物を見つけました。しかも、たつた一五〇圓。これを、掘り出し物と言つてもいいでせう。初めて見る、間中冨士子といふ方の著書で、『国文学に摂取された仏教─上代・中古編─』(文一出版) です。目次を見ると、「源氏物語と天台仏教」 といふ章があり、その章にはさらに、〈源氏物語に現はれた生活体験としての天台仏教〉 と 〈紫式部と天台仏教〉 といふ項目もあつて、『源氏物語』 を讀むならこれくらゐはと思はれるので、挑戰してみたいと思ひます。 

食事もそこそこにできて、無事に生還できました。昨日は三〇〇〇歩でしたが、今日は、五八五〇歩。めでたしめでたし! 

でも、なんだかこの日記、「讀書の旅」といふよりも、「闘病日誌」のやうになりつつあります。 

 

今日の寫眞・・・「第1回 国分寺大古書市」 と 『国文学に摂取された仏教─上代・中古編─』 + 各二〇〇圓のぼろぼろの和本