九月十七日(月)壬子(舊八月八日) 晴のち曇り、夕方豪雨

 

今日もまた、妻と晝食を食べに出ました。ぼくが東京國立博物館(東博)に行きたいと言つたら、では上野といふことになり、即座にねぎしの牛たんと決まりました。 

これはいつ食べてもおいしい。他の店の牛たんも食べたことありますが、ねぎしほど美味しいところはありませんでした。淸水のマリちやんにも敎へたことがありましたが、味のうるさいマリちやんも太鼓判を押したほどです。注文したセットがやつてきたとき、ご飯を少しにしてもらふのを忘れたことに氣づきましたが、美味しくて、とろろ汁をかけてどうにか食べてしまふことができました。

 

京成上野驛を出たところですから、行きやすいこともあります。また食べた後は妻とは別行動がお決まりですから、ぼくはひとり、上野公園を縱斷して東博をめざしました。 

ところが、途中でトイレに寄つたときに、手帳を忘れてきたことに氣づき、どうしようかと迷ひました。入場券を買つてまでして入るか、それとも出直すか、二者擇一の大決斷をのばしてゐるうちに何とか祭りで賑ふ噴水廣場までやつてきてしまひ、博物館動物園驛があつたらこのまま歸れるのにと思つてゐるとき、東博の入口に人だかりが見えないことに氣がつきました。といふことは、とよく見ると、だれもチケット賣り場に並んでゐないのであります。なんと、「本日は無料観覧日です」との看板が立つてゐるではありませんか。さう、敬老の日だつたんですね。

 

それはそれでうれしかつたのです、が、正面入口を入つた案内で聞いたところ、英一蝶の 「雨宿り圖屏風」 は現在展示してゐないといふのです。ではいつ展示するのでせうかと聞いてもわからないと言つたつきり。あの手の屏風は、今までに五月から七月あたりに展示されてゐましたから、來年か再來年かのそのころに來てくださいといふ、まことに親切なのかバカにしてゐるのかわからない對應でした。 

ぼくはすぐ熱くなる性質(たち)ですが、がまんして、ミュージアムショップに行き、探しました。けれども、屏風繪や繪葉書のコーナーにも、圖録にも、關連圖書もありませんでした。結局なにもわからないまま歸路につくしかありませんでした。 

収藏されてゐても、必要なときに見ることができないのではないのと同じなんだと聲を大にして叫びたい! 

 

今日の寫眞・・・ねぎしの牛たん、「本日は無料観覧日です」との看板、それと、公園内の變體假名の句碑と歌碑。蜀山人以外の句碑はみなどうにかよめました

最下段には、「雨宿り圖屏風」 圖をネットから探して載せました!