九月六日(木)辛丑(舊七月廿七日) 曇りのち曇天

 

今日も朝から力が出ず、食欲もなかつたのですが、美味しいものを食べれば回復するだらうと出かけてきました。まづ念頭にといふか眼前に浮かんだのは、天健(てんたけ)の天丼でした。濃いめのたれのかかつたどんぶりを思ひ出したら、よだれがわいてきましたので、これはほんものだと自分に言ひ聞かせ、關屋驛で東武線に乘り換へて淺草へ。できれば、《東京散歩 じゆんの一歩一》 の 〈コース番號26〉「淺草七福神めぐり」を歩いてしまはうとまで計畫したのです。

 

淺草驛の北口を出て左に歩いて行くと、そのまま傳法院通となり、外國人でにぎはう通りを突き抜けたところの向かひ角に天健のお店はありました。 

時刻はちやうど一二時。開いてゐました。二人づれの女性客だけで、注文した天丼はすぐ目の前に。揚げたてのてんぷら、えびはもちろん、きすにあとは何だらう。熱々のうちに、それでもごはんを少なめにしていただいたどんぶりを平らげることができました。久しぶりに舌鼓を打つことができました。

 

ところが、再び傳法院通に出、古書の地球堂書店に入つたあたりから、汗が流れはじめ、目の奥といふか後頭部の内側がボーつとして、歩いてゐられなくなり、公會堂前のベンチにへたりこんでしまひました。 

あとは、どうにかもと來た道をたどり、淺草驛から歸つて来ざるを得ませんでした。堀切菖蒲園驛まで妻に迎へに來てもらひ、歸宅するやいなやばたんきゆー。ああ、情けない一日でありました。 

臺風や大雨、洪水、大地震にあつて困窮してゐる人々が大勢をられるといふのに・・・。 

 

今日の寫眞・・・天健の天丼と地球堂書店