十月廿七日(土)壬辰(舊九月十九日) 晴、朝夕快晴

 

なんだなんだ、雨・風・雷注意報が出てゐて、六十パーセントの降水率でしたから、雨傘を持つて家をでましたよ。たしかに、家を出たときはどんよりと曇つてをりましたが、東急田園都市線市が尾驛に降り立つてみると、眞つ靑な空が廣がつてゐるではないですか。それで、一日中一度もささずに持ち歸るといふ始末でした。

 

で、かんじんの史策會、第十三回目にあたる 〈寺家ふるさと村散策〉 は、市が尾驛一〇時集合、參加者五名、今回のリーダーは藤が丘在住の大塚さんでした。 

大塚さんの案内に從つて、まづ、市ヶ尾横穴古墳群と稲荷前古墳を見學いたしました。ぼくは、市が尾の南の川和町に八年ほどゐましたが、これらの古墳に氣づきもしませんでした。うかつといふより、關心がないと、どんなすばらしい貴重な歴史的遺産も目にとまらないのだといふことをあらためて敎へられた思ひです。

 

その後、鶴見川に沿つたサイクリングロードに出て、市ケ尾高校のあたりから、上流に向かつて常盤橋まで歩きました。ランニングする人やサイクリングする人とすれ違ひながら、およそ三十分、良い天氣すぎて汗がふきだしてきました。 

寺家ふるさと村そのものは、ぼくが訪ねた二十五年前とほとんど變化はないやうに見うけましたが、すでに周邊は住宅に圍まれてゐました。晝食は、四季の家はやめて、お食事処「青山亭(せいざんてい)」でいただきました。ぼくはざるそばを注文しましたが、冷たい稻庭うどんも食べてみたかつた。もちろんそばも美味しかつたです。 

水車小屋や溜池のむじな池に立ち寄りながら、稻刈りのすんだ田んぼをめぐり歩き、好天に惠まれた里山の氣配を滿喫することができました。

 

青葉台驛に向ふにあたり、すでに一萬二千歩を越えてゐたので、四季の家の前から出てゐる青葉台驛行のバスに乘ることにしましたが、正解でした。 

バスは坂道をのぼり、やうやく上りきつたあたりの桜台で下車。大塚さんの案内で、桜台ビレッジ(1968年竣工のマンション、設計内井昭三)に寄りました。今だに人氣があり、空き室はないやうであります。さういへば、川和にゐたころに來たことがあつたことを思ひ出しました。道をへだてた古本屋がまだ健在なのもうれしく思ひました。 

桜台商店街を驛まで歩き、青葉台驛近くで打ち上げの會食。美味しく飲み食べることができました。ここいらで、ぼくの萬歩計は、一萬六千歩を越えてゐました。 

次回は甲斐さんの隅田川散策のつづきの豫定です。