2023年12月1日(金) 晴曇り

古本散歩。御茶ノ水驛のソラシティー古本市と高円寺、神田兩古書會館の三か所をめぐり歩いた。風が寒くいささか疲れたけれど、探してゐた唐木順三 『無用者の系譜』 と安藤更生 『鑑真』 それに角川写真文庫の 『永井荷風』 が見つかつた。それと舊字舊假名の文庫、永井荷風の 『野心・柳・さくら』 と 『新橋夜話』 ほか内田魯庵 『おもひ出す人々』 太宰治の 『ろまん燈籠』 井伏鱒二『ジョン萬次郎漂流記』。その他三角寛 『サンカ外伝血煙旅日記』 『無境界家族』 『ぼくはオンライン古本屋のおやじさん』 と、面白さうなのが何册も手に入つて大滿足!

晝は久しぶりに御茶ノ水の誠鮨でランチちらし鮨を美味しくいただいた。

今日の収穫・・上記の他に 『古書肆・弘文莊訪問記ー反町茂雄の晩年ー』 『キリシタン版エソポ物語-付古活字本伊曾保物語』 山本健吉の 『私小説作家論』 正宗白鳥の 『作家論Ⅰ・Ⅱ』 伊藤整 『作家論Ⅰ・Ⅱ』

今日の外出・・5360歩 

 

12月2日(土) 晴

今朝、妻がわが家のわきの道路で、昨年越してきた18歳の男からけがをさせられ、警察をよぶ騒ぎとなつた。障害をもつ人物であることは來た早々わが家のノラたちを傘でなぐつてゐるのを注意した時から氣がついてはゐたけれど、まさかその妻を路上で襲ふとは信じられない。まあ、おさめることができたけれど、近所中の方々が出てきて一時は騒然となつた。ところがぼくは家の中にゐてまつたく氣がつかなかつたのだ!

夕方、妻の運轉する車で齋藤さんと天祖神社の坂本さんをお乘せして、細田のそば屋“蕎麦泉匠”で久しぶりの會食。弓道のはなしでもりあがり、舊交をあたためあふことができた。

目黒考二 『笹塚日記』(本の雑誌社) 讀了。

今日の外出・・980歩 

 

12月3日(日) 晴

終日讀書。山田風太郎 『いだ天百里』(廣済堂文庫) 讀了。山田風太郎は面白い。これはサンカが主人公なのでなほさらだ。 

 

12月4日(月) 晴

終日讀書。天明8年・1788年刊の和本 『近代見聞善悪業報因縁集三』 の綴じ糸がほぐれてゐたのを、久しぶりに綴じ直してみた。内容も怪談のやうで面白さう。

妻は一昨日襲はれてあちこちを打つてゐるので、午前中には南郷さんへ行つて診斷書を書いていただき、午後は純子さんに來てもらつて整體施療していただく。ぼくもついでにしてもらふ。 

 

12月5日(火) 曇天

終日讀書。讀書といつてもベッドに横になつて讀んでゐるので、近ごろではといふかだんだんうとうとする時間が多くなつた。いよいよ老化が深まつてきたのかも知れない。湯タンポを入れたのでよけい眠氣を誘ふ。 

 

12月6日(水) 晴

終日讀書。山田風太郎 『妖説忠臣蔵』(東都書房) 讀了。奇想天外の面白さ。さういへばそろそろ討入りの日で、テレビでも特別番組をやつてゐた。つづいて 『瑤泉院ー忠臣蔵の首謀者・浅野阿久利ー』(新潮文庫) を讀みはじめる。 

 

12月7日(木) 晴

朝、高円寺への乘り換へのため御茶ノ水驛に入らうとしたら、改札口が聖橋のたもとに移つてゐたのには驚いた。まだ未完成だがより便利になつてきた。

古本市では今日も掘出し物があり、先週につづいて大滿足! 晝はギョウザの滿州でタンメンとレバニラ炒めを食べ、食後滿州の前の高円寺茶房でレモンスカッシュをいただきながら戰利品を品定め。

和本 『伊曽保物語-上』 讀了。この「上」は期待してゐたイソップ寓話でなくイソップ自身の生ひたちやらその境遇のはなしであつた。中下に期待したい。『宇治拾遺物語』 とともに 『善惡業報因縁集』 も一日一話づつ讀み進む。

また今日求めた 『国文学-説話文学とはなにか』 冒頭の井上ひさしと百目鬼恭三郎の對談が面白かつた。

學習院大での源氏の同窓で、忠臣藏大ファンのMさんに昨夜の番組のことをお知らせしたら喜んでくださつた。

今日の収穫・・『竹むが記』 『極楽願往生歌』 『国文学-説話文学とはなにか』、唐木順三 『無常』 『日本人の心の歴史上下』

今日の外出・・2730歩 

 

12月8日(金) 晴

今日は神田の古書會館へ古本散歩。新興展の古本市で和本が多く、五十嵐書店のご主人と久しぶりにお會ひした。収穫は皆無。

久しぶりに八木書店二階の國文學賣り場に顔をだし、源氏の第三部に關するものを探したけれどよくわからなかつた。

晝はアルカサールの和風ステーキを完食。自分でも驚いた。

今日の収穫・・坪内祐三 『酒日誌』 笙野頼子 『愛別外猫雑記』

今日の外出・・3890歩 

 

12月9日(土) 晴

今日は妻の誕生日。ちなみにぼくは2月23日、といふことは・・・?

青砥驛の手打ちそばかとうの鴨南蠻を食べに外出。ついでに“おかしのまちおか”で駄菓子を買ひ込み、堀切菖蒲園驛にもどつて純喫茶コロラドでコーヒーを飲みながら讀書と思ひきや、おばさんがたがどかつと入つてきて本を讀むどころではなくなつたので逃げるやうにして歸宅。

午前中、源氏死去後中座し、あちこちに置き忘れたやうになつてゐた 『源氏物語』 關連書のなかから第三部の冒頭「匂宮」を出してきて、靑表紙本を中心に二種の注釋書(小学館日本古典文学全集5と新潮日本古典集成6を匂宮だけを切り離して小冊子にしたもの)もそろへていつでも讀みはじめられる準備をととのへた。あとは他の讀書環境がおちつくのを待つばかりとする。

『瑤泉院』 が面白い。

今日の外出・・2700歩 

 

12月10日(日) 晴

終日讀書。『宇治拾遺物語卷第十三』(和本) 讀了。『瑤泉院』 がますます面白い。

妻のところに淸水のマリちやんからお父さんの納骨がすみましたとの連絡があつた。 

今日のメール・・・東山會

東山会の皆様へ ご無沙汰しておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか?

本「東山会」は昨年11月の親睦旅行以来休眠状態にありますが、来年春にはそろそろ活動を開始しては如何でしょうか!

先月、中村さんに健康状態をお伺いすると同時に、上記の意向をお伝えしたところ「何とか来年春には体調を整えて参加したい」との話を頂きました。

ということで、来年3月或いは4月の例会開催をご提案致します。勿論、皆さん高齢になり以前のようなウオーク一辺倒では無く、前回のような観光旅行的な物で如何でしょうか?  

 

12月11日(月) 曇天

出かけるつもりでゐたけれど曇天なのと 『瑤泉院』 が面白いので家で讀み進む。

和本で小册子の 『近代見聞善惡業報因縁集卷之三』(天明八年・1788年刊) 讀了。これも佛敎説話としてまた信仰書としても面白かつた。『宇治拾遺物語』 はルビなしだが、これは總ルビつきだから讀むのには助かつた。

阿佐田哲也 『阿佐田哲也の怪しい交遊録』(集英社文庫) 讀了。

ひるまマキさんに電話したところ、聖路加病院を出て松戸にある老人ホームに移られたことが分かつた。 

 


 

12月12日(火) 雨後曇天

終日讀書。湯川裕光 『瑤泉院-忠臣蔵の首謀者・浅野阿久利』(新潮文庫) 讀了。じつに讀ませた。700ページの最後まで飽きることなく感動させられた。ただ文庫本化されたとき80ページ縮減せざるを得なかつたといふのだから、單行本のはうも讀んでみたくなる。

内容(「BOOK」データベースより)・・・浅野内匠頭夫人、阿久利。内匠頭の切腹後、落飾して瑤泉院と号したこの女性こそが、大石内蔵助を陰で支え、赤穂四十七士の吉良邸討入りの絵図を描いていた―。阿久利と内蔵助の淡い交情、幕閣最高権力者・柳沢吉保との知恵を尽くした探り合い。後に「美貌御前」と称された才色兼備のヒロインを軸に、膨大な資料を縦横無尽に駆使して誕生した、静かな感動溢れる出色の忠臣蔵小説。

 

 

12月13日(水) 快晴

外食・古本散歩。まづは柏を訪れて、“玄品”柏店でふぐのランチ正午膳コースをいただき、大滿足してつづいて太平書林さんに向かつた。あとは定例のコース、東武で船橋經由京成八幡驛下車、閉店まじかの山本書店をたずねたところ、やはり實際におとずれてみてはじめて出會ふ本がある。両店で 『一枚起請文あらかると』 『赤穂浪士の実像』 『裏返し忠臣蔵』 『續紙魚繁昌記』 を見出だした。ただ市川真間には寄れなかつた。

すでに夕方になり、夕食をかねてはじめて堀切菖蒲園驛前の“もつ焼とん将”に入り、もつ燒おまかせ5本盛を注文したところが、一串一串が大きくてもつの煮込みまでたのめなかつた。次回挑戰したい。

朝出がけに川口のけいこから電話で、母親の珠代(母の姉の長女)が前月亡くなつたと傳へてきた。けいこは一人つ子で父親もまた良人もだいぶ前に世を去つてゐるから力になつてあげたい。

今日の外出・・4240歩 

 

12月14日(木) 曇天

終日讀書。柴田錬三郎 『裏返し忠臣蔵』 を讀みつづける。「奇想天外な発想によって忠臣蔵の面白さを倍加する」とあるけれど、まあ色々な忠臣藏があるものだ。

母のこたつ式の小テーブルが低いためか、電熱部分が母の膝頭にあたつて火傷寸前なので、テーブルの脚を4、5センチ高くする細工をほどこす。電動ドライバーやノコギリを使つてじつに久しぶりの工作だつた。 

 

12月15日(金) 曇天

今日は古本市のはしご散歩。まづは神田の古書會館で探書。つづいて御茶ノ水驛前の誠鮨でランチのちらし鮨を完食。いつ食べても美味しくて食べ殘したことがない。

さらにJR中央線で代々木驛乘り換へ五反田驛下車、南部古書會館へ。小雨模様だつたが無事開催中で、けつこう面白さうなといふかこちらの好奇心と意欲を奮ひ立たせる本を何册も發見。岩波新書の 『零の発見』 と木村伊兵衛の 『対談・写真この五十年』、他に 『植草甚一コラージュ日記②』、目黒考二 『笹塚日記-うたた寝篇』、坪内祐三 『本日記』 と 『書中日記』、亀井勝一郎 『日本人の精神史-第一部~第四部』 これは單行本ですでに讀んでゐるが、繰り返し讀むべきもので文庫本でもそろへておきたい。

歸路、再び堀切菖蒲園驛前のもつ燒屋に入り、もつの煮込みとレバーとシロを燒いてもらつた。うまかつた。

柴田錬三郎 『裏返し忠臣蔵』(文春文庫) 讀了。 

今日の外出・・5090歩 

 

12月16日(土) 曇後晴

朝豫約して“理容双葉”で整髪していただく。ほぼ月一なので今年は今回でおしまひ。妻は剃れといふけれど今以上冷えるのはごめんた。

内田百閒 『第三阿房列車』(旺文社文庫) 讀了。これにつづくは山口瞳 『還暦老人ボケ日記』、還暦でボケなら喜壽をむかへるぼくはなんなのだ!

『伊曽保物語-中』〈第十一-狼と羊との事〉 まできてやつと寓話に入る。

夕食後入浴。 

 

12月17日(日) 晴

久しぶりに部屋を片づけた。といつても本の移動だけだつたのだが、川口のけいこが來て猫たちと對面するのにぼくの寢室を通過せねばならないからだ。むろん猫部屋も掃除。ちやうど弟と妹も來ることになつたので母も交へて一緒にすごすことができた。

今日は 『還暦老人ボケ日記』 と 『百代の過客-日記にみる日本人』 を讀みすすめる。 

 

12月18日(月) 晴

今日も 『還暦老人ボケ日記』 と 『百代の過客-日記にみる日本人』 を讀みすすめる。『ボケ日記』 のはうは讀書の記事が皆無で競馬日記になつてしまつてゐるのがつらい。『百代の過客』 のはうは面白くて、『更級日記』 や 『成尋阿闍梨母集』、『建礼門院右京大夫集』、『たまきはる(健壽御前日記)』 などは複製や影印本を出してきて、引用か所などを讀むものだからなかなか進まない。特に 『たまきはる』 は復刻版を手に入れてあつたので讀んでみた。「へ」が邊、「か」が閑を母字としてゐるのがわかりにくかつたが、どうにか讀めさうである。作者は藤原定家の姉なのである。

晝間出かけた弟は夕食の燒き肉を食べてから歸つたが、その勝美がもつてきてくれた下仁田ねぎがじつにうまかつた。 

 

12月19日(火) 曇後睛

終日讀書。猫たちとすごす。夕食後入浴。昨年改装した風呂がいい。思ひきつて實行した妻に感謝!  

 

12月20日(水) 晴

朝食後も横になり、家を出たのは正午。妻は買ひ物、五丁目バス停まで歩いて綾瀬驛から柏に直行、まづは天外天の担々麺で腹ごしらへ。

ここで今日はご無沙汰してゐた驛南のブックオフを訪ね、狙ひ通りの文庫本を發掘。さらに今日は南柏驛前で開催中の古本市を襲ひ、ここでも狙ひの吉行淳之介の文庫をまとめて發掘。もう「發掘」としか言ひようがない。また、小説は讀む氣にならないが、山本周五郎の随筆集 『雨のみちのく・独居のたのしみ』 を見つけたのでを求める。

さらに歸宅後の夕食にはくじらの刺身が出て大滿足。だいこんおろしもうまい。

入浴後はベッドで讀書。『たまきはる』 も 『宇治拾遺物語』 も 『伊曽保物語』 も意味がわからないところもあるけれど、變體假名を忘れないためだが面白い。

今日の収穫・・吉行淳之介 『軽薄のすすめ』 『一見猥本風』 『怪談のすすめ』 『鬱の一年』 『菓子祭』 『紳士放浪記』 『犬が育てた猫』

今日の外出・・4260歩 

 

12月21日(木) 晴

日本橋の齒科に通院。今日で治療が終り、次回からはクリーニング。院長先生とはお別れか。

歸り、高島屋のメガネ賣場に行き、鼈甲メガネの修理をたのんだ。

さらに地下鉄東西線で早稲田驛下車、期待をもつて訪ねた尾張屋さんにはたしてミニかつ丼が健在! 350円のそれだけをいただいて、古書店街を歩くが齒のぬけたやうなさびしさで、わづか江原書店で文庫本を數册得たのみ。ベローチェでコーヒータイムをとり、上野公園行バスにて歸る。

また堀切菖蒲園驛前のもつ燒屋に入り、もつの煮込みとレバー、豚バラを燒いてもらつた。

今日の収穫・・『文藝別冊 総特集 内田百閒』 『焔の中』 『人生の隣』

今日の外出・・7660歩   

 


 

12月22日(金、冬至) 晴

終日讀書。昨日食べ過ぎたやうで横になつて 『百代の過客』 を讀みすすむ。『たまきはる』 につづいて 『いほぬし』 『うたたね』 『十六夜日記』 『辨内侍日記』 『中務内侍日記』 『とはずがたり』 『竹むきが記』 まで、すでに讀んだものもあるが影印本を出してきて、ドナルド・キーンさんの名調子を樂しむ。

山口瞳 『還暦老人ボケ日記』(新潮社) 讀了。 

 

12月23日(土) 晴寒さ身にしむ

探書・外食散歩。古書會館をはしご、先に神田に行く豫定が、御茶ノ水驛で中央線に乘つてから間違ひに氣づき、きりかへて高円寺の古本市を先に、それから引き返して神保町。お晝は久しぶりにマジカレーのビーフカレーをいただき滿腹。はしごしても収穫はほとんどなし。平山三郎 『実歴阿房列車先生』 と 『百鬼園先生よもやま話』 が發掘品だらうか。

新装なつた新小岩驛前の“みさきすし”でいくつか壽司を握つてもらつて夕食とし、歸宅後風呂であたたまり、さつそくベッドにはいつて讀書。

今日の収穫・・『総特集 福田恆存』、以下内田百閒 『残夢三昧・日没閉門』 『実歴阿房列車先生』 『百鬼園先生よもやま話』 

今日の外出・・6890歩

 

12月24日(日) 曇後晴

昨夜 『宇治拾遺物語卷十四』 讀了、最後の卷十五にはいる前に、順番待ちの浅田次郎 『流人道中記』 を讀みはじめる。いやあ冒頭から面白い。

妻が氣になつて仕方なかつたノラ猫のハコちやんをやつと捕獲することに成功し、わが中村荘の猫部屋のゲージに保護できた。わが家の庭に出没するノラたちから追ひ出され、ぢきに取り壊される近所の家の片すみに避難しつづけてゐたのを、エサをあげつつ見まもつてきただけに、ぼくも一緒に喜んであげた。まだ子どもなのだ。 

 

12月25日(月) 晴

朝がたがたがたしてゐたが、晝は青砥驛の “手打かとう” へ直行し、いつもの鴨南蛮をいただき、今年の食べ納めとした。歸りは “おかしのまちおか” と “ダイソー” と “ジュピター” に立ち寄つて駄菓子を買ひ込み、そのまま歸路につく。

夕方まで猫たちとすごし、先週につづいてやつてきた弟を交へて夕食。ベッドにはいつてからは讀書三昧。

浅田次郎 『流人道中記(上)』(中公文庫) 讀了。(下)に入る。

今日の外出・・2210歩 

 

12月26日(火) 晴

今日はなりゆき旅であつた。月一の南郷整形外科通院後、近くのバス停から平和通りを南か北か、先に来たバスに乘るつもりで近づくと、新小岩行きがやつてきたのでとび乘つた。それではと晝食を久しぶりの “こいわ軒” に決め、ヒレカツ2個とエビフライ1個のBランチをいただいた。

そこで思ひ出したのが平井驛前の古本屋である。新小岩驛からひと驛都心に近い驛前にあるから便利なのだがあいにくとシャッターがおりてゐた。そこはちやうど上野松坂屋前行きのバス停で、一度乘つたことがあるのを思ひ出し、結局終點まで乘り通してしまつた。ところが降りたところが上野広小路のブックオフの眞ん前。しめたと思つて小一時間探書したけれども収穫はなし。樂しい一日だつた。

浅田次郎 『流人道中記(下)』(中公文庫) 讀了。

今日の外出・・3530歩 

 

12月27日(水) 晴曇

終日讀書。 

 

12月28日(木) 晴

探書・外食散歩。今日は柏と土浦をめざした。まづは柏驛南のブックオフとキャンドゥで文庫本三册とドライフルーツ。お晝は今年最後の“玄品”の正午膳。たつぷり味はい、あとは常磐線の車中で讀書。『大君の都』 がなかなか手強い。

土浦驛はかつて知つたるほどかよつたと言ひたいけれど、驛前の “つちうら古書倶楽部” の往復くらゐで、今日もわき目もふらずに探書に専念。なにしろひろい。「東日本最大の売場面積」といふ賣り言葉はまんざらウソぢやない。それで二册の収穫とは疲れてゐたか散漫だつたのだらう。歸りの快速電車でも 『大君の都』 に傍線を引きながら、北千住・牛田乘り換へで歸宅。

夕食に妻が出してくれたみる貝に舌つづみをうちながら、妻のはうが探書ならぬいい買ひ物をする目を養つてゐるのだと思つた。

内田百閒 『第三阿房列車』(旺文社文庫) 讀了。

今日の収穫・・ヤスパース 『イエスとアウグスチヌス』 『一遍語録を読む』 『続百鬼園随筆』 『山窩奇談』

今日の外出・・5010歩 

 

12月29日(金) 晴

終日讀書。『伊曽保物語(中)』 讀了。『宇治拾遺物語卷十五』 と 『圓光大師御傳記第十八』 經讀。ガードナー 『門番の飼猫』 讀みはじめる。 

 

12月30日(土) 晴

探書・外食散歩。神保町と町田を訪ねた。神保町へは関屋・牛田、曳舟驛乘り換への半蔵門線で向かひ、まづワンダーで中野翠さんご推薦のミステリ文庫、絶版のはづが三册揃ひで見つかりさい先がいい。晝は成光さんがすでに休みに入り、近くの別の店でラーメンをいただいた。ところが古書店街はすでに年末休みに入り、からうじて開いてゐたアムールショップで二册百圓の文庫本のなかから筒井康隆と山口瞳の二冊を得て滿足し、つづいて町田へ。久しぶりの半蔵門線・田園都市線で長津田驛乘り換へで町田驛。ドトールでコーヒー休憩。元の東急ハンズの隣のバスターミナルにある店だが案外に落ち着いてゐて、近くにあつたなら毎日訪ねたく思つた。ブックオフも近かつたがコミックに侵略されつつあり魅力減といつたところ。肝心の柿島屋だが、滿席で30分近く待つてやつと今年食べ納めの馬刺を堪能できた。めでたし。

外出のさいに讀んでゐる 『大君の都』 だが、第10章(日本政治の瞥見ーアメリカとの二条約締結の経過ー国家の統治者とその統治方法)がよくわかり面白かつた。

今日の収穫・・『新東京百景』 『玄笑地帯』、以下は中野翠さんおすすめのロバート・L・フィッシュ 『懐かしい殺人』 『お熱い殺人』 『友情ある殺人』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 

今日の外出・・5720歩

 

12月31日(日) 曇天晴

終日讀書。ES・ガードナー 『門番の飼猫』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 讀了。有名なペリイ・メイスン シリーズの一册。1935年の作品であり、昭和31年(1956年)發行なのにとびきり面白かつた。ただ劣化したページが破れたり表紙などちぎれてしまつた。

この一年も毎日毎日讀書を缺かしたことはなかつたけれど、讀む速度がおそい。理解力が衰へ、あれこれ好みにあはせて並讀してゐるからでもあらうが、焦ることもないので次の年も樂しみながら讀んでいきたい。

 

また今年はとくに身體的に波亂萬丈の一年であつた。新年はいかなるか?