二〇二〇年四月(卯月)一日(水)舊三月九日(甲戌・上弦) 雨

 

今月もまた、佐々木 譲さんではじめたい。『警官の血(上)』 を讀みはじめる。 

舞臺は東京は上野、主人公の安城清二巡査が最初に配属されたのが上野公園前派出所である。京成上野驛を出た右手すぐにある交番である。そこに昭和二十三年四月一日に着任。 

たびたび出てくるのは、上野警察署と坂本署と谷中署であるが(地圖參照)、そのうち、現在もあるのは上野署と下谷署と名を變へた坂本署。谷中署は、一九六〇年(昭和三十五年四月)に坂本警察署と統合し、現在は跡地に派出所がある。 

そして、その所在地名について、著者が當時の住居表示を正確に記してゐて興味深い。ちなみに、東京の由緒ある地名が、一九六二年(昭和三十七)年五月十日に公布された「住居表示に関する法律」によつて變へられてしまつたのだが、それ以前は、上野署の所在地名は北稲荷町、坂本署は金杉、谷中署は桜木町であつた。 

主人公の住まひも、現在では谷中三丁目・五丁目と變へられてしまつてゐるが、初音町といふ粋な町名であつた。 

幸ひ、二〇一六年三月に求めた、住居表示變更以前の区分地図帖が二種類あるので、以前の住居表示を確かめながら讀めるので樂しい。 

 


 

東山會、今回の幹事の永田さんから連絡があり、今月二十三日の高尾山散策の計畫を延期するとの提案があつた。參加豫定者の多くが贊同して決定した。 

 

夜、再び、BS1スペシャル 「ウイルスVS人類~未知なる敵と闘うために~」 を、今度ははじめから見た。とても勉強になつた! 

内容・・新型コロナウイルスのパンデミック(感染爆発)が世界を揺るがす。我々に何ができるのか? 3人の専門家が徹底的に語り合う 【出演】押谷仁(東北大・専門家会議メンバー)、五箇公一(国立環境研究所)、瀬名秀明(作家) ▽ペストやインフルエンザ、SARSなど感染症との闘いの歴史はコロナ対策に生かされている? ▽地球温暖化とグローバル化の加速、未知の感染症の脅威にどう備える? ▽“見えにくいウイルス”との困難な闘い 

 

今日のネットより・・・ 

高田延彦氏 首相の布マスク2枚配布にあ然「エイプリルフールジョークじゃないよね?」 

尾木ママ 首相の布マスク2枚配布表明に「何を考えておられるのでしょうか?」「本気で心配です!」

 

たしかに、妻とテレビを見てゐて、したり顔で喋る首相には、顔を見合はせて笑つてしまつた。志村けんのコントを見てゐるやうで・・・「こりやァ、だめだ!」 

 

ネットの投稿より・・・ 

この一か月の間に、各国政府は次々と具体的な対策を打ち出している。一方の日本政府はと言えば。「消費減税はしません」、「全国民への現金給付はしません」、「非常事態宣言はしません」。つまり、やらない事の決断しかしていない。そして昨日ついに国民の命と生活を守る大胆な対策として首相が打ち出したのが、「各世帯にマスクを2枚配ります!」 

国民の命を守るのではなく、国民の希望を木っ端みじんに打ち砕いた。

 

 

四月二日(木)舊三月十日(乙亥) 晴、北風

 

終日讀書。佐々木 譲さんの 『警官の血(上)』、地圖をかたはらに讀みつづける。主人公の安城清二巡査は、上野公園前派出所から、つづいて、上野公園の中の、動物園前派出所勤務になり、そこからさらに希望した駐在所に移る。場所は、谷中墓地の中にある天王寺駐在所である。後に燒けてしまふ五重塔のそばの駐在所で、ぼくも何度かそばを歩いたことがある。 

谷中署の直属上司から言はれる言葉が印象的である。

 

「覚えておけ。駐在警官は、ただの外勤巡査とはちがう。極端な言い方をすれば、外勤巡査は勤務中だけ真面目な警官であればいい。だけど駐在警官は、二十四時間、立派な警官でなくちゃならないんだ。覚悟はいいな」

 

これはよくわかる。田舎牧師のしごとも二十四時間態勢だつた。もつとも、ぼくは眞面目でも立派でもなかつたけれど・・・。 

 

新型コロナウイルス、都内で今日新たに九十七人感染、一日の感染者最多を更新。都内感染者は六八四人に 

 

ネットの投稿より・・・ 

ここまでかたくなに、緊急事態宣言を出さないし、有効な対応策を出さないとなると、合法的に現代版の”姥捨て山”をやろうとしているとしか思えない。そもそも日本の緊急事態宣言の場合、海外ほど強力な抑制力・強制力が持てないのであれば、出さない理由がない訳だし。学校休校→行き場のない若者が感染拡散、通勤電車やパチンコを規制しない→労働層への感染で免疫を獲得させる&なあなあで経済活動は継続させる、感染拡大→病床及び人工呼吸器等の不足→合法的に高齢者への医療切り捨て、最終的に医療費の削減と相続税による税収アップ、人口に占める年齢比の若年層のUPを狙い、現行の税制制度や既存利益等維持、てところか?

 

 

四月三日(金)舊三月十一日(丙子) 晴

 

終日讀書。佐々木 譲さんの 『警官の血(上)』 讀了。半ばから、息子の民雄の物語になるけれど、ちやうど學生運動の時代のはなしで、警察側からみた過激派の活動の描寫が興味深かつた。まあ、道警シリーズのやうなハラハラドキドキ感はないけれど、戰後史をたどつてくれてゐて勉強にもなる。

 

『警官の血(上)』 の内容紹介・・・ 

「昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ」 

 

新型コロナの感染者の増加が續いてゐる東京都内で、三日、新たに八十九人の感染が確認され、都内の感染者はこれで七七三人。

 

 

四月四日(土)舊三月十二日(丁丑・淸明) 晴

 

終日讀書。佐々木 譲さんの 『警官の血(下)』 讀み進む。 

先日注文した、佐々木 譲著 『仮借なき明日』(集英社文庫) が屆いた。新型コロナウイルスのために、しばらくは古本市には行けないかも知れないので注文してしまつた。まあ、すでに手もとにある本を讀めばいいのだけれども、つい觸手が動いてしまふ。 

もつとも、〈日本の古本屋〉の古本まつり案内を見たら、神田の古書會館は、「新型肺炎の影響により中止」 となつてゐた。會場が地下だから仕方がないにしても、高圓寺と五反田は、どちらかと言ふと開放的な賣場なので、開催はしてゐる。 

 

東京都で新たに約一一八人が感染、一日での感染者が初めて一〇〇人を超える。 

あれれれれ・・・、慈惠大病院でも、「入院患者や医師など六人の新型コロナウイルス感染が確認された」との發表があつた。感染が確認されたのは、「入院患者二人と、勤務する医師一人、看護師三人のあわせて六人。入院・外来診療を一部制限し、当分の間、入院患者への面会は原則禁止にする」 といふことだけれど、十五日と廿一日の通院はどうなることか? 

 

 

四月五日(日)舊三月十三日(戊寅) 晴

 

終日讀書。佐々木 譲さんの 『警官の血(下)』 讀了。『警官の条件』 に入る。 

『警官の血(下)』 内容紹介・・・ 

「安城民雄は、駐在として谷中へと還ってきた。心の傷は未だ癒えてはいない。だが清二が愛した町で力を尽くした。ある日、立てこもり事件が発生し、民雄はたったひとりで現場に乗り込んだのだが――。そして、(三代目の)安城和也もまた、祖父、父と同じ道を選んだ。警視庁捜査四課の一員として組織暴力と対峙する彼は、密命を帯びていた。ミステリ史にその名を刻む警察小説、堂々たる完結篇」 

 

(弟の)勝美が個展のために上京。ただ、このコロナ騒ぎで、明日展示したらそのまま佐久に歸るといふ。 

勝美が言ふには、例のマスク二枚、屆いたら「受取拒否」と書いて投函するといいと言ふ。「日本郵便」の筆頭株主は麻生で、それで郵送することを考へたのだらう。どこまでも儲けようといふ腹だ。ばかにしてゐる! いいことを敎へてくれた。

 

參考・・「202042-マスクの生産は山口県に委託→安倍総理の出身、マスク代はお膝元に? マスクの郵送代は60億円以上→麻生財務大臣は日本郵便の筆頭株主故に利権を持った政策くさい」 

 

東京都で新たに一四三人が感染 二日連続一〇〇人超えで一日の最多を更新。累計一〇〇〇人以上になる。 

 

 

四月一日~五日 「讀書の旅」 ・・・』は和本及び變體假名・漢文)

 

四月三日 佐々木 譲著 『警官の血(上)』 (新潮文庫) 

四月五日 佐々木 譲著 『警官の血(下)』 (新潮文庫)