八月六日(木)舊六月十七日(辛巳・廣島原爆記念日) 晴、暑い
書齋だか猫部屋だか判別がつかなくなつたソファーにもたれて、今日も一日讀書三昧。
夜、突然に濱松在住の金谷節子さんから電話があつた。マキさんと電話で話したそのながれらしいが、明學時代とあいかはらずの元氣な聲に奮ひたたされた! コロナには牛乳と、アエンの入つた牡蠣がいいと敎へてくれた。
*九十七歳の誕生日をひかへて、美容室に行き、歸宅後妻に髪を染めてもらつた母。それと、母の兄の葬儀の一枚。左うしろの母と、今は亡き母の姉たち三人。
八月七日(金)舊六月十八日(壬午・立秋) 晴のち曇天
先日よんだばかりの、外山滋比古さんが亡くなつた。「7月30日、胆管がんで死去。96歳」、だつたといふ。
藤沢周平著 『橋ものがたり』(新潮文庫) 讀了。つづいて、『霧の果て 神谷玄次郎捕物控』 を讀みはじめる。
「毛倉野日記(五十二)一九九八年七月」 書寫繼續。
八月八日(土)舊六月十九日(癸未) 曇天のち晴、暑い
今日の古本散歩は、神保町と高圓寺の古書會館をはしごした。多少は心配したけれど、「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ともいふし、注意怠ることなく見て歩いた。ところが、そのわりにはいい本が見つからず、神保町のはうでは収穫ゼロ、高圓寺でも、歸り際に次の二册が目にとまつただけであつた。
小松英雄著 『徒然草抜書 解釈の原点』(三省堂) 三〇〇圓
美川 圭著 『院政 もうひとつの天皇制』(中公新書) 一五〇圓
今日の歩數は、八一七〇歩であつた。やはり古書市めぐりはよく歩く。
八月九日(日)舊六月廿日(甲申・長崎原爆記念日) 晴、暑い
藤沢周平著 『霧の果て 神谷玄次郎捕物控』(新潮文庫) 讀了。奥書をみたら、一九九四年につづいて二〇一三年にも讀んでゐる。これで三讀めだが、まつたく新鮮! つづけて何册もよんできたが、人間が信じられる氣持にさせられる。
南柏で求めた、高嶋哲夫著 『トルーマン・レター』 (集英社文庫) をよみはじめる。
「なぜ原爆投下はなされたのか―――!? 元新聞記者の峰先は33代米大統領トルーマンの私信を入手、それは広島・長崎の原爆投下に関する内容だった。手紙を巡り、峰先は国際諜報戦に巻き込まれる。歴史の闇に迫るサスペンス」
八月十日(月)舊六月廿一日(乙酉) 晴
今日は母の誕生日。九十七歳を迎へた。いつもなら、弟や妹、孫や曾孫を迎へて行ふのだが、今年は來るのを遠慮してもらつた。
先日は美容室に行き、帰宅後妻に髪を染めてもらつてゐた。隔日のデイサービスでは、風呂に入れてくれるのがありがたい。そこでは食事が完食のやうだが、我が家では食べる量が少なくなり、在宅日は、テレビもつけないで、ボーッとしてゐることが多くなつてきた。會話がしだいにむずかしくなつてきてゐるのを感じる。
高嶋哲夫著 『トルーマン・レター』(集英社文庫)、一氣に讀了。つじつまが通つてゐて、リアリティーが感じられた。文庫本なのに、なぜか著者の署名がなされてゐた。いままで三、四册よんできたけれどみな面白かつた。
つづいて、これも先日求めたばかりの、『サザンクロスの翼』(文春文庫) をよみはじめる。これも面白さうだ。
八月一日~卅一日 「讀書の旅」 (『・・・』は和本及び變體假名・漢文)
一日 外山滋比古著 『「読み」の整理学』 (ちくま文庫)
三日 藤沢周平著 『驟り雨』 (新潮文庫) 再讀
七日 藤沢周平著 『橋ものがたり』 (新潮文庫) 再讀
九日 藤沢周平著 『霧の果て 神谷玄次郎捕物控』 (新潮文庫) 再々讀
十日 高嶋哲夫著 『トルーマン・レター』 (集英社文庫)