六月十六日(木)甲子(舊五月十二日 曇天のち小雨

 

今日の讀書・・今日は、モモタをなでなでしながら、橫になつての讀書でしたが、菅野完著『日本会議の研究』(扶桑社新書)のおかげで居眠りもできませんでした。いやあ、昨日はちよいと感想めいた事を書きましたが、これ以上は、述べるより讀んでもらふしかないと思ひますね。きつと、結論だけ言つても信じてもらへさうもないからであります。

 

ぼくにできることは、ただ、國會議員選擧において、「日本会議」の息のかかつてゐない人物に投票することでしかないと思ひました。いい人だとか、野党だからといふのでもなく、この人が當選した場會には、「日本会議」に毒されない、もしくは對抗できる、憲法にのつとつた活動ができるであらう人、それだけですね。

 

引用するとなると、ほとんどの頁を寫したくなります。そこで、ひとつだけ、あほな安倍がどんな意味であほなのかの部分だけを引用します。まあ、小泉純一郎が自民党をぶつつぶした、その結果がかういふことになつたとぼくは思ひましたけどね。 

「派閥の領袖としてさえ権力基盤を構築しえないまま、安倍は総理総裁になったのだ。それまでの総理総裁と比べ、安倍の党内権力基盤は驚くほどに脆弱だ。日本会議や 『成長の家原理主義者ネットワーク』 をはじめとする 『一群の人々』 が安倍の周りに群がり、影響力を行使できるのも、この権力基盤の脆弱さに由来するのではないか。安倍は他の総理総裁よりつけこみやすく、右翼団体の常套手段である 『上部工作』 が効きやすいのだ。」 

なにしろ、安倍の取り卷きがどんな經歴を持つた人物であるか、そのすべてが、「生長の家原理主義者」です。元號法制化運動を成功させたことを皮切りに、靖國神社國家護持法案制定を求め、「明治憲法復元」こそがかれらの究極の目標だといふのですから驚きです。

 

菅野完さんは、つぎのやうに本書を締めくくつてゐます。 

「今、安倍政権を支え、『改憲』という彼らの悲願に結実しようとしている。彼らは悲願達成に向け、50年近い歳月を経て培ってきた運動ノウハウの総力を挙げ、『左翼打倒』の誓いを成就する最後の戦いに挑んでくるであろう。」 

まあ、時代錯誤もいいところですけれど、かれらにはそれを實行するノウハウに加へて力があります。決してあなどれません。あ~、恐ろしい! 

 

大工さん、昨日は急の仕事が入つたからといつて休みましたが、今日は早くから工事にかかつてくださり、午後には書齋擴張工事は完成しました。 

 

今日の《平和の俳句》・・「春眠を季題に句会来年も」(六十二歳男) 

〈いとうせいこう〉 きなくさい世の中では「春眠や」などと言っていられない。来年もまた平和な季語を使いたい。これはリアルな感覚だ。同感。 

 

今日の寫眞・・菅野完著『日本会議の研究』(扶桑社新書)の表紙と圖表(ちよいと見にくくなつてしまひました)。夕食のデザートは、おはつのサクランボです。それと、モモタ。机に向かつたぼくの膝の上にのつて居眠りです。我が家に來てまだ四日といふのに、もともと可愛がられてゐたんですね。たしかに可愛いです。