十月三日(水)戊辰(舊八月廿四日) 曇天

 

南伸坊著 『オレって老人?』 讀了。抱腹絶倒とまではいかないけれど、かなりよませました。とくに共感したのが、〈じじさまランチ〉。

 

「お子様ランチってのがあるんだからさァ、じじさまランチとかばばさまランチってのがあってもいいと思うのよ」 

「あったっていいけどさ、なんで?」 

「だって、量が多いじゃない」

 

てなところなんか、最近とみに思ふところがあるので面白かつた。まあ、がいして老人となりつつあるといふか、なつたと氣づいたときの悲哀なんかが書かれてありましたが、「全共闘世代」としての辯も多々。

 

「どんなにバカっぽくても、昔の少年漫画や、剣術映画のように、カッコイイのは、気はやさしくて力持ち、強きを挫き弱きを助ける、ケンカが強くてもエバラない、これが本当のカッコイイ人だ。というのを周知徹底しないといけない。 と私は思う。」

 

「そもそも老人は世の中の本流から外されるから 『近頃』 のありさまに批判的になれるのである。批判される方は、どうせ世の中の本流から外れた老人のタワ事だ、と言ってもいいが、無視してはいけない。そうして無視されたとしても、老人は 『近頃』 の気に入らないことどもを、糾弾し続けるべきなので、それができるかどうかが問題だ。 と私は思う。」

 

たいへんまされるお言葉の數々です。「オレって老人?」 なんてとぼけたお人とは思へません。さういへば、伸坊さん、ぼくと同じ一九四七年(昭和二十二年)生まれなのよ。よつ、ご同輩! 

 

今日の寫眞・・・左から、先月廿八日に紹介した 『しんぱんいきなどどいつ』 の煮染めたやうな表紙、吉川弘文館人物叢書の 『石田梅岩』、それと少しづつ讀みはじめた、大好きな角川文庫舊版、森銑三さんの 『おらんだ正月』 と伸坊さん