七月卅一日(日)甲寅(舊六月廿八日

 

入院生活第三日目。 

もうろうとして、術後の朝を迎へました。看護婦さんが運んできたパン食は、しかしジャムはお皿の上に出しておきますね、と言つて去つていつてしまひました。 

スプーンとフォークとストローを用意しておくやうにと言はれてゐたものですから、ア~ンと食べさせてくれると思つてゐたのがまつたくの肩すかしでした。どうにか、ベッドの頭部というか腰から上の部分をあげて、しかも右手だけで食べることができました。 

そんなことを知らない妻は、お昼にやつてきて、昼食のカツ丼を、ア~ンとして食べさせてくれました。やはりもつべきものは愛妻でありますね。 

そのとき、看護婦さんがきて、手術前に尿道に入れておいた管を抜いてくれたので、これで一人でトイレに行くことができるやうになりました。 

日常なにげなくしていることも、たいへんありがたいことなのだと悟つたわけなのでありました。

 

ところが、妻は、昼食後帰宅したのですが、一度家のことを済ましてからでせう。5時頃再びきて、いろいろ話していきました。 

その途中です。左手親指が突然痛くなつたのです。とくにつけねの部分が痛くて、触ることもできません。妻には帰つてもらひましたが、その後看護婦さんに湿布薬をいただくやらしましたが、その頃には触らなくても痛くて痛くてたまらなくなり、当直の医師と、それから整形外科の医師もきてくださいましたが、結局痛み止めの薬をいただいて、それでどうにか寝ることができました。 

きつと、左肩をしめつけすぎたためかとは思ひましたが、そのはうが大切なことですから、一応黙つていました。 

あ~しんど! 

 

今日の寫眞・・夏の雲と東京タワー。それに、夕食。